前集004|裏も表も知ったうえで、正しい行動を選ぶこと

前集001-020

起(原文)

勢利紛華 不近者為潔 近之而不染者為尤潔
智械機巧 不知者為髙 知之而不用者為尤髙

勢利紛華は、近づかざる者を潔しとなす。
之れに近づきて、しかして染まざる者を、最も潔しとなす。
智械機巧は、知らざる者を高しとなす。
之れを知りて、しかして用いざる者を、最も高しとなす。

智械機巧:知恵や才気の働き


承(意訳)

人を堕落させやすい権勢や利益、虚飾や華美から距離を置くことは、確かに潔白な行いです。しかし、それらに近づく立場にありながら、なお染まらないことこそ、より高い潔白さだと、この言葉は示しています。

同様に、裏工作のような知恵や才気の使い方を知らないことも、品格のある態度といえるでしょう。しかし、それを理解したうえで、あえて使わない選択をすることが、最も気高い姿勢だとされています。

正しい行動を選ぶためには、ときに耳の痛い指摘を受け入れる必要もあります。
👉 前集005|耳が痛い忠言・諫言こそが、人を成長させる


転(別視点)

現実の社会では、悪意や裏工作に対して、正攻法だけでは太刀打ちできない場面もあります。ときには、相手のやり方を理解し、同じ土俵に立つほうが有効なのではないか、と思ってしまうこともあります。

そうした考えが浮かぶこと自体が、まだ迷いの途上にある証なのかもしれません。


結(まとめ)

悪いものに近づかないという生き方も、一つの選択です。しかし、裏も表もすべてを知ったうえで、それでも正しい行動を選び取ることこそが、人として歩むべき「道」なのでしょう。

静かな強さは、そこにあります。

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