起(原文)
勢利紛華 不近者為潔 近之而不染者為尤潔
智械機巧 不知者為髙 知之而不用者為尤髙
勢利紛華は、近づかざる者を潔しとなす。
之れに近づきて、しかして染まざる者を、最も潔しとなす。
智械機巧は、知らざる者を高しとなす。
之れを知りて、しかして用いざる者を、最も高しとなす。
智械機巧:知恵や才気の働き
承(意訳)
人を堕落させやすい権勢や利益、虚飾や華美から距離を置くことは、確かに潔白な行いです。しかし、それらに近づく立場にありながら、なお染まらないことこそ、より高い潔白さだと、この言葉は示しています。
同様に、裏工作のような知恵や才気の使い方を知らないことも、品格のある態度といえるでしょう。しかし、それを理解したうえで、あえて使わない選択をすることが、最も気高い姿勢だとされています。
正しい行動を選ぶためには、ときに耳の痛い指摘を受け入れる必要もあります。
👉 前集005|耳が痛い忠言・諫言こそが、人を成長させる
転(別視点)
現実の社会では、悪意や裏工作に対して、正攻法だけでは太刀打ちできない場面もあります。ときには、相手のやり方を理解し、同じ土俵に立つほうが有効なのではないか、と思ってしまうこともあります。
そうした考えが浮かぶこと自体が、まだ迷いの途上にある証なのかもしれません。
結(まとめ)
悪いものに近づかないという生き方も、一つの選択です。しかし、裏も表もすべてを知ったうえで、それでも正しい行動を選び取ることこそが、人として歩むべき「道」なのでしょう。
静かな強さは、そこにあります。

