前集035 他人と利害がぶつかるときは、謙虚に対応するのが世渡り上手|人間関係の知恵

前集021-040

起 原文

人情反復 世路崎嶇
行不去處 須知退一歩之法
行得去處 務加譲三分之㓛

人情反復、世路崎嶇
行き去らざるところ、須らく一歩を退くの法をし知るべし
行き得去るところ、務めて三分を譲るの功を加えよ

人情反復、人情は軽薄にして変わり易いこと;世路崎嶇(せろきく)、世路は世を渡ること、崎嶇は山道の高低で非常に険阻なこと

承 意訳

人情というものは軽薄で変わり易く、世を渡ることは険しい道のりです。

そんな難しい世の中で生きていくには、容易に通行できないところでは、自らは一歩を他人に譲って人を先に通すようにします。

例え容易に通れるところであっても、十分の三は他人に譲るような工夫を凝らさねばなりません。

転 別視点

人間関係の中で、「自分が正しい」「こちらが先に進むべきだ」と感じる場面は少なくありません。
特に仕事や日常生活の中では、利害がぶつかる瞬間は避けられないものです。

そんなとき、無理に自分を通しても、得られるものは意外と多くありません。
一方で、ほんの少し相手に譲ることで、大きな損をすることもほとんどありません。

むしろ重要なのは、そのとき自分の中に残る感覚です。

自分を押し通したときには、わずかな優越感と引き換えに、どこかに小さな違和感や疲れが残ります。
反対に、相手に譲ったときには、静かな納得感や穏やかな満足感が心に残ります。

この小さな違いは、日々の積み重ねによって大きな差となっていきます。
人間関係における“生きやすさ”は、こうした積み重ねによって形づくられていくのかもしれません。

結 まとめ

周囲の人と利害がぶつかるときこそ、
あえて一歩引き、相手に譲る余裕を持つこと。

それは単なる遠慮ではなく、
長い目で見たときの信頼や安心感につながる行動です。

すべてを譲る必要はありませんが、
「譲れる余白」を持っておくことで、
人間関係は驚くほど穏やかになります。

無理に勝とうとするのではなく、
少しだけ譲る。

その積み重ねが、結果として
最も楽に世の中を渡る方法なのかもしれません。

人間関係における「余裕」や「譲る姿勢」は、他の章でも繰り返し説かれています。
👉 前集013 他人が欲しがるものは、少しそれを譲る謙虚さと余裕を持つ
👉 前集050 他人には寛大さと厳格さ両者で臨機応変に対応
👉 前集121 他人の欠点は取り繕う。頑固さには、柔軟性で対応

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